崩牡丹
□学級委員長の休息
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会計委員会は各委員会の予算の割り振りも担当しているのだが、
「予算をばっさりカットさせてもらう!」
開口一番、文次郎は言い放った。
『…はい?』
もちろんまだわけが分からない影四郎はきょとんと首を傾げる。
そこで文次郎が取りだしたのは、今月の学級の明細書。
『うちは予算を組みこんでいないんじゃ…』
「見れば分かる」
『……』
学級委員長委員会
必要経費:打合せ雑費食事茶菓代
……つまり、おやつ代。
『なんだこれ』
「こっちのセリフだ!」
『三郎、ちょっと』
「はいはい」
二人して明細書を覗き込むふりをして矢羽音での会話。
『これは?』
「見ての通りおやつ代です」
『おやつ出るの?』
「まあ…学園長先生がどうしてもと」
『…学園長先生が会議に出ているという事も初耳だ』
「いえ、去年も計三、四回くらいしか」
『けれどおやつ代が?』
「学園長先生がどうしてもと」
『………』
会話終了。
『必要経費らしい』
「そんなわけがあるか!」
さすがに簡単にはいかない。
しかしここで押し負けておやつがなくなったと学園長に知れたら
もう会議にはでない!などと我儘を言いそうな気がする。
『糖分は頭の働きを活性化させる』
「だったら自腹切れ」
『私はあまり会議に参加しないのだ。損じゃないか』
「知るかッ!!」
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