あなただけをいつまでも

□FILE-9 おしゃれ泥棒
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「「欲しいんですのーっ!」」
「っ…は、はい…」

伊集院邸に母たちの心からの叫びが響き渡る。

「こ、今度は何が欲しいんですか?」
「偲隠家の家宝ですの!」
「ええっ!?」

「そんな!」とでも言いたそうに玲は目を見開いた。
困った様子の息子には目もくれず、母たちはにっこりと微笑み合っているのだから…

「この前テレビでやっていましたのよ」
「酒呑童子の首を斬り落としたという童子切!」
「えっ!?それってもしや国宝…」
「の!影打ですわ!」
「か……かげうち?」

きょとんと首を傾げたものの、

「とにかくとにかく欲しいんですのっ」
「ね、盗ってきてくださりますわよねっ」
「でも…」
「「欲しいんですのーっっ!」」
「は、はい!分かりました!」

母たちのあまりの剣幕についつい頷いてしまう玲なのだった。









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