あなただけをいつまでも

□FILE-1 地上より永遠に
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財団法人 CLAMP学園

幼等部・初等部・中等部・高等部・大学・大学院とで成る巨大なこの学園は、
日本一の大財閥≪妹之山≫が、未来をしょって立つ若者たちのささやかな学び舎なれと
私財のみで完成した、巨大な一つの≪都市≫である。

寄宿舎・研究所・映画館・病院・銀行など、ありとあらゆる≪施設≫が整ったこの学園都市には、
学生・職員・関係者、その他 施設業者 その家族…など、合わせてなんと1万人以上が登校・生活している。

才能ある者のために、家柄・資産等は全く関係なく門戸を開き、
特出・卓越した才能の持ち主が多いことでも有名なこのCLAMP学園は…

その反面、そのお祭り大好きな性質でも名を馳せている。


―――


「いらっしゃったわ!初等部学生会の方々よ!」

CLAMP学園にて。
4人が気球を降りたとたん、校舎内は黄色い声で溢れかえった。

もちろん、本人たちには聞こえない。


「あぁっ!やっぱり残様は素敵だわっ」
「4年生の頃から初等部学生会会長をお務めで、このCLAMP学園を創立した≪妹之山財閥≫の末息子!」
「≪妹之山財閥≫と言えば、その資産は日本の国家予算を遥かに凌ぐと言われているほどよ」
「その上NASAから引き抜きがかかっていると噂されるほどの頭脳明晰!」
「そしてあのうっとりもんのご容姿! そうそう釣り合う方はいらっしゃらないでしょうね…」


「あら、蘇芳さんだって素敵よ!」
「いつも冷静で、言葉少なに残様に寄り添ってらっしゃる所がまた良いのよっ」
「しかも3年生の頃に、柔道・合気道・空手・剣道と何故か全て3段!」
「大人連中が相手にならなくて、飽きてしまわれたという噂よ」
「その上成績は、初等部5年の常にトップ!」


「残様、蘇芳さんだけじゃないわよ!」
「そう!お婿さんにしたいNo.1の伊集院玲くん!」
「あの笑顔!あの優しい性格!」
「料理は高等部の家庭科を教えている、一流ホテルのコックが思わず帽子を食べてしまったほどよ」
「勿論成績は、4年生トップ!」


きゃいきゃいと騒いでいた女生徒たちだったが、そこでようやく落ち着いてきたらしい。
3人について語る時より声を抑えて、また話し始めた。


「そして忘れてはならないのが偲隠柊さんよね」
「女性なのに物怖じせずに物事に立ち向かっているところとか…」
「私たちの憧れの存在よね」
「噂ではあの残様を尻に敷いているのだとか」
「あのお三方と肩を並べる事ができるだなんて羨ましいわ」



CLAMP学園では学生会がほとんどの実権を握っていて、
初等部はあの4人が動かしていると言っても過言ではない。

全てが完璧な初等部学生会役員…
噂では幼等部初等部はおろか、中等部、高等部、大学部…
果ては他の学校の生徒まで狙ってるという話だ。




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