龍 神 の 詩 −嵐雨編−

嵐雨の銀鈴 - 一章 覚悟
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 文官一位――卯龍(うりゅう)から手紙が来たその日のうちに、乱舞(らんぶ)と絡柳(らくりゅう)は正式な書状を作成した。

 一行全体をまとめ、交渉を行う代表者として、卯龍の指示があった三位の大臣である漏日(もれひ)の時砂(ときすな)。

 彼のもとで、五位の大臣――水月(すいげつ)絡柳が実際に官吏に指示を出し、様々な事物の管理を行う。

 中州の武官を率いる者として、武官二位九鬼大斗(くき だいと)にも書簡を送った。

 まだひと月前の戦で負った怪我が治りきっていないが、大斗本人は平気な顔をして、すでに以前と変わらない生活をしている。


 また、大斗には卯龍の指示になかった主に護衛となる武官の手配も頼むことにした。

 いくら地位と実力があるとはいえ、大斗は若い。

 彼がまとめやすい軍を、彼自身に作らせるべきだろう。


 そして、城主代理となる与羽(よう)と、その補佐官として辰海(たつみ)。

 与羽の筆頭女官を自称する竜月(りゅうげつ)にも、正式に筆頭女官としての同行が指示された。

 雷乱(らいらん)にも、城主代理専属の護衛官として招集をかける。


 中州の人員は五十ほどにする予定だ。

 今回送り届ける他国の武士たちが加われば、四、五百人ほどの大所帯になる。
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