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□ダーリンダーリン
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「お前、好きな人がいるんだってな」
楽しそうに笑う君が悪いんだぞ
ダーリンダーリン
「……あぁ、うん…」
「誰なんだ?」
「君には関係ないじゃないか」
そう言うと彼はつまらなそうな顔をしてお酒をまた口にした
あぁ今日もまた泥酔コースかな
そう思いながら ロックのウィスキーを煽る
俺はお酒よりコーラやシェイクを飲むのが好きだから こういうバーにはあまり来ない
「んだよ ケチクセーな!誰なんだよ」
ここで 君だよ。なんて言ったらどんな顔するのかな
きっとびっくりした顔して…それから傷ついた顔をするんだろうな…
だって彼はまだ俺の事を…弟だと思っているんだから
「……じゃあ 内緒にしていてくれよ?」
良いことを考えた
嘘をついてしまおう
きっと酔ってるし 明日には忘れているんだろうし
「お、おう!」
「…菊だよ 本田菊、彼が好きなんだ」
ニコリと口をつり上げると ソレに反して彼は眉を下げた