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□ハッピーニューイヤー
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あけまして、おめでとう


ハッピーニューイヤー


「……う…く」


なんで年明けの今、俺は泣いているんだろうか


「…ひ…うく…ぅえ…」


膝を抱えて泣いていたら携帯のブザーがなる


さっきから鳴り響くこれは 数時間前にアルフレッドとケンカしたが事の起こりだ


俺は悪くない 俺は悪くない


そういいながら何時間たったのか


「……ぅ…っ」


いつまでも泣いていても変わらないのはわかっているんだけど…


「アルフレッド…の、ばかぁ…」


びぇえ…って子供みたいに泣き叫びながらシーツに顔を埋める


「アルフレッド、のばかぁばかぁ」

「そうかい」

「お前なんか …お前なんか…」

「なんだい?」

「だい…す…え?」


振り向くとアルフレッドがそこにいて思わず世界が終わったと思ったわけで


「え…っえら…あ…?」

「なんだい」

「なん…で…」


思わずこの間菊の家で見たあの口裂け女を思い出した


神出鬼没。その言葉がぴったりだ


あれは怖かった。ホントに怖かった


「君、電話に出ないなんて酷いんじゃないかい?」

「…お前が…お前が悪い、だもん」

「あれは君が人の話を聞かなかっただけじゃないか…」


それは数時間前の事


アルフレッドはこの日を空けとけとか行って、自分はパーティーで遊んで 来れないとか言った


俺はこの日の為に、フランシスとか色々な国から呼ばれていたパーティーを全部きったのに


…これは酷いんじゃないか


それをバーッと当たり散らして


アルフレッドに電話で喚き散らした


大人気ないってわかってたけど、ホントにこんなにも楽しみしていたのだ


なのに、それはないだろう、なぁ


「もう、泣かないでよ…」

「お前なんか、嫌いなんだからな…っばかぁ」

「うん。そうだね、俺は好きだよ」

「……ぶぁかぁ」

「うん、わかったよ」


ぎゅうと抱き締められて思わず息がつまる


「俺は、12時は絶対いっしょに居よう。って言ったんだよ でも、君はなんか勘違いして喚き散らしたんじゃないか」

「でも、だけど」

「いいかい。アーサー」

「…ん」

「今から十秒俺たちはキスしていないといけない…わかったかい?」


そう言ってかぶり付かれるようにキスされた


「ふぐ…ん…ぅ」


頭の中がかぁっとあつくなってどんどんと胸を叩く


「やぁ…っ」

「…ハッピーニューイヤー…アーサー?」

「…ふ…ぐ」

「酷い顔なんだぞ」


楽しげに笑うとアルフレッドはチュッと頬にキスした


「…君は少し寂しい思いをしたら燃えるだろ?」


そう言って押し倒され、


あぁ、もう、バカ


そう言って俺はアルフレッドの首に腕を回した



End


あけましておめでとうございます


いいお年を
 

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