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□さながら恋をした
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広い草原で初めて話したあの時からきっと
さながら
恋をした
「アルフレッド」
声をかけられて振り向けば凛々しい眉毛
今日もぷにっと気持ちよさそうな頬…まぁだからつつくのだが
大きな瞳に、少し朱に染めた頬
確かに、童顔
これで年上と言うのだから世も末
「なんだい?お説教はこりごりだぞ!」
「ばっ!今日は説教しに来た訳じゃねぇよ!バカ!!」
「じゃあ」
真っ正面にたってちんちくりんな頭を見下ろす
「なんの、よう?」
少し冷たい物言いになってしまった
仕方ないといえば、仕方ない
どうしても独立から、この人に反発してしまう
未だに弟扱いされるなんてマッピラだ
俺は君より背が高いし、君より大きな国なんだぞ
そろそろ認めてくれてもいいじゃないか
「…ぁ…いや…その……今日、フランシスと飲みに行くんだが…来ねぇか?」
「なんで君たちと呑まないといけないんだい?これでも俺は忙しいんだぞ!」
「…っ…そ…うか…あ…そうだよな!おう!じゃあな!」
そう言って背を向ける彼に 小さな後悔
言い過ぎ、たよな
でもどうしてもフランシスの名前が彼から出ると嫌なんだ
「くたばれ、アーサー」