月と桜と人魚の哀歌
□第三幕
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次の時限は担当の先生がおらず自習だったので、周りの女子からごんべえは質問攻めにあっていた。
「何部だったの!?」
「てか制服可愛いー!!」
「彼氏とかいる?」
「もうごんべえちゃんって呼んでもいい?!」
「・・・・・・・・」
ごんべえは少しうざったそうにしていたが、スケッチブックに質問の答えをスラスラと書いていく。
「へぇー!!手芸部だったんだぁ!!」
「えー?彼氏いないのぉ?」
などと周りの女子が次々と声を上げる。
質問に答えても答えなくても、彼女たちは静かになることはない。
そう思ったのかごんべえはスケッチブックを持って席から立ち上がり、ふらふらと教室を出た。
「ええーーー?何あれー?」
「カンジ悪〜」
女子たちは散々悪口を言った後、つまらなそうに席に帰った。
リクオはその様子を見て何故かいてもたっても居られず、ごんべえのあとを追いかけた。
「・・・何処に行くんだろ?」
そのまま追いかけていくと、いつの間にか屋上に通じる階段に到着した。
リクオはぱっと階段を見るとそこには階段からごんべえがリクオを見下ろしていた。
「教室に帰らないと怒られちゃうよ!早くもどろう!」
リクオがそう言うがごんべえはそれを無視するかのように踵を返しそのまま階段を上っていった。
「待って!!」
結局リクオも屋上へと足を進めた。
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