雷の行く末は…

□悪魔の材料
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《早くしろよアル!》



《兄さん、そんなに急がなくても………》

《そうだ、ゆっくり行こうぜ》

《うむ、図書館は逃げる事はないぞ》




「いいから早く!

  来たぜセントラル!!」



エドは背筋を伸ばしておもいっきり叫んだ。長い道のりを経て遂にアメストリス国の中心セントラルに着いたのだ。



『あんなにはしゃぐとは、やっぱガキだな。』


エド達の旅に同行しているリオン・ウォークは朝からエドのテンションについてけず大きな欠伸を噛み殺してた。


「うるせー!お前だって汽車の中で[まだ着かねーかよ!]って騒いでただろうが!!」


『Σうっ…』


確かにリオンも落ち着いた態度をとっているも、セントラルに来た事に内心喜んでいた。


    ぎゅっ…


(ひょっとすると、ここに兄貴がいるかもしれない…)


期待と不安を胸に…
リオンはまだわからないさき(未来)を見つめるかのように前に出した手のひらを握りしめた。



「アームストロング少佐、おむかえにあがりました。」

『ん!?』


「うむ、ごくろうロス少尉ブロッシュ軍曹。」


アームストロング少佐の部下、黒髪ショートが似合う美人なロス少尉、真ん中分けのブロッシュ軍曹がビシッと敬礼して待ち構えていた。


「おっ、こちらが鋼の錬金術師殿でありますか。」

「マリア・ロスです。お会いできて光栄です!」

「デニー・ブロッシュです。いやぁふたつ名通りの出で立ち!貫禄ですな!」


二人はアルを鋼の錬金術師と間違えて挨拶した。

まぁ、歳のわりには小さいエドと2メートル近い鎧男のアルを見れば誰しも身長差からエドと間違えられているのはいつも事だ。


「………」

『光栄だって!』


リオンはぽんっと固まっているエドの肩を叩いた。


「え?」

「あっちのちっこいの?」

『そ、こっちのちっこいの!』

「誰が豆粒ミジンコドチビだぁっ!」


ちっこいという単語に反応してエドは飛び掛かろうとするが少佐は軽々と止めた。


「Σこっ…これは失礼いたしました!!」

「Σちっこいだなどと、いえその…」


口ごもる二人にリオンは大丈夫と笑った。


『これお決まりパターンだから。』

「何がお決まりパターンだ!!!」

『器の小さい奴だなぁ…一回ぐらい言われたって減るもんじゃねーだろ!?』

「Σてめえわざと言っているだろ!!」

「…リオ、面白いと思うけどあんまり遊ばないであげて…」

「面白くない!!」


相変わらず賑やかなケンカはセントラルの駅でも響く。


「あの、少佐、あの子は…」

『ご紹介が遅れました!私リオン・ウォークと申します。どうぞリオと呼んで下さい♪』


リオンは素早くロス少尉の手を取り目をキランときらめかせながら挨拶をし始めた…


「あっ…はいよろしくお願いします。」

『いやぁ、まさかこんな美しい人が軍人をやっているなんて!軍には美人が多いですなぁ♪』


「たくっ…リオの奴は何やってんだか…」

「まぁまぁ、しょうがないんじゃない兄さん…」


リオンの勢いにあきれ果てる兄弟…



「それでこちらの男の子は一体誰なんですか?少佐。報告書には書いて無いのですが…」


((あ…ブロッシュ軍曹!))




    ピタッ…




ブロッシュ軍曹が何気なく言ったつもりだったのだろうが、地雷を踏んでしまった…




『……フフ……アハハハ…さぁて私は一体誰でしょうなぁ。』


「Σブロッシュ軍曹!早く逃げろ!!!」

「えっ?」





『だぁれぇがぁ〜〜〜〜〜



 男だぁぁぁあああ!!!』



   ドカッ バキッ!



   《Σぎゃー!!》


《Σわーっ!!リオを止めろー!!》

《リオ落ち着いて!》


   《ウガー!!!》



……相変わらず賑やかな声はよく響く。


  
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