他のみんなとZzz
□わからなくて
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たとえば葉っぱがはらりと落ちたときに。
たとえば青い光に酔ってしまった羽虫のように。
私もいつか死んでしまうか
わからなくて
私は死にぶつかったことなんて無いけれど、いつも触れてはいるのだと思う。
今日食べたお弁当だって、ニュースで放送された事故だって。
私に関係あって関係ない。
「死ぬのってどういう気分なんでしょう。」
「いけません!!」
がたがたと音がして、教室に飛び込んできたのは、
「柳生君、勘違いしてる。別にわたし死ぬ気なんてないわ。」
ゆっくりと、私は目線を冷たい冬の夕焼けから机に激突している柳生君に移した。
「・・・何かあったんですか?雪さん。」
「なんでもないの。いつものこと。」
どんな本を読んでも誰に聞いても私が死んだ後のことなんてわからない。
「死んでしまったらどうなるのか考えてしまっただけ。」
小さい頃夜寝る前に怖かったのは幽霊だけど、残念なことに忙しい日々に私の素敵な空想力は消え去ってしまった。
「・・・確かにそれは誰にとっても一生の疑問ですね。」
私の自殺疑惑が消えたためにホッとしたのか柳生君は自分の意見を述べた。
「今いる私が死んでしまえば私は自分が何かわからなくなってしまうの。それに・・・」
私がいなくっても地球は回るのよ。
「世界はなんら変わらないわ。きっと。」
「・・・それはどうでしょう。」
柳生君が体勢を立て直して私のほうへと歩を進めた。