他のみんなとZzz
□銀色の鐘
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もちろん知ってるしってるけど
かばんに隠したそれがかすかに音をたてた。
銀色の鐘
「仁王はいつも大変そうだよね。」
「それは私が仁王君でないことを知ってておっしゃってるのですか白井さん?」
「もちろん。」
隣のペテン師は実は紳士で。
彼はあいつの代わりにプレゼント攻撃にあっている。
「柳生君も疲れたでしょう。そろそろ呼んでくるよ。」
「有難うございます。仁王君でしたら多分・・「大丈夫。多分いるとこの目星はついてるから。」
確かに仁王に似てるけどやっぱり少し温和な目元が微笑んだのを見てから私は寒い階段を駆け上がった。
ドアを開けると冷たい風がひゅっと白いブラウスの中に入ってきたような気がした。
目の前には少しさびた茶色っぽいフェンスしかなくってまた寒さをいっそう強く感じさせる。
コンコンと音がするから上を見る。
「仁王!いい加減観念したがいいよ。」
「そんなこというなんてひどいナリ。」
猫背になって鼻を赤くしたその様子から
寒い、というのが見た目でわかる。
「寒いの苦手なくせに。そんなに貰うの嫌だったの?」
「・・・雪は分かってくれないんじゃの。」
コンコンという音は仁王がやってた剣玉の音だったようだ。
「ん〜割と他の人よりはわかってるかなぁ?って思ってたんだけど。」
「俺の誕生日は?」
「馬鹿言わないの。今日でしょ。」
「何もくれんくせに。」
「何が欲しいの?」
「愛。」
パコンと頭を殴ると「ひどか。」と言って私の頭をわしゃわしゃとした。