他のみんなとZzz
□白い息
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季節はいつの間にか移り変わろうとしていて。
天気予報では12月上旬の寒さなんて言ってた。
ふうっと息をはけば私の息も
白い息
「もうそんな季節になったんじゃの〜。」
そんなことを言いながら肩をすぼめて歩いてきたのは
「仁王君。マフラーにはちょっとはやくない?」
学校指定のベージュ色したチェックのマフラーが彼の首でゆれている。
「首元は寒くていかん。」
鼻の頭が少し赤い。
「確か暑いのもだめじゃなかった?」
「そんとおりじゃ。けどそこまでないにしても寒いのも嫌なり。」
「冬産まれの癖に。」苦笑してしまえば。
「なんじゃ白井俺の誕生日知ってたんか。」
驚かれたことに驚いて。自分が言ってしまったことに後から気づく。
「・・当たり前だよ。テニス部の誕生日はいつも年中行事みたいだもん。」
そうやって濁せば少し残念そうに仁王君はふーんと目をそらした。