他のみんなとZzz
□昨日に祝福を
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「花束に、カードを添えてくださいな。」
「お名前は?」
「比呂士くんでお願いします。」
素敵なご婦人がそういった。
昨日に祝福を
そのご婦人はニコニコと感じがよくてまるで英国かどこかの人のようだった。
「お誕生日なんですか?」
「えぇ、とっても面倒見のいいお兄ちゃんでね、いつも妹の面倒を見てくれるのよ。」
きっとこの人の息子だから可愛らしいに違いない。
「その比呂士くんがどうしてもこれでなくちゃ嫌だというから・・まぁ可愛らしい。」
私が差し出した花束にご婦人は喜ぶ。
「ところで貴方ここでバイトを?」
「えぇ、」
「何時くらいまでやってるの?」
「私ここのバイトして2年くらいになるんで、結構遅くまでやってますよ?」
そうなの、とご婦人は嬉しそうに微笑んで
「私柳生と申しますの。貴方は?」
「白井です。」
ワタワタと答えるとご婦人はきっとまた会えるわね、といってガーベラやかすみ草を引き連れて帰っていった。
柳生さん、と名前を反芻して私は帰路に付いたのだった。