シリーズZzz
□会長様が見てる7
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チア部の情報が伊達じゃないのは
きっと、柳君もご存知のことでしょう。
会長様が見てる7
まるで泣くようにして私にことの一件を伝えてきた部員は相手がわたくしであったならまだあきらめるのに、とおっしゃいましたが、わたくしから言わせればばかばかしい意見でございます。
そしてきたのが彼女でした。
息を切らした彼女の頬は走ったためなのかはたまた柳君の言葉のためなのか。
私の中には彼女に対する嫉妬と今まで浮いた話しの一つもなかった柳君が恋をするという小さな可能性を見つけたことによる喜びの二つが渦巻いております。
「草原さん、どうかなさいましたか?」
私はあくまで平静を装って。
「会長、私は柳蓮二が嫌いなんです。ほんとうに・・・ほんとうに・・・・。」
彼女のその言葉に私は真を見つけられなくて。
まるで自分に言いかけるようにしているとお見受けしました。
ここで
私がそうですわねと、一言彼女に言ったなら、彼女はその虚を真とするのでしょう。
なら、それでいいじゃないかと私の中の悪魔がささやきます。
私は泣くだけのあの子達とは違うのだから。