柳君とZzz

□金夾
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「・・・・仁王何してるの?」

「床屋さんじゃ。」

「丸井何してるの?」

「お客さんじゃ。」

「まねするっちゃなか。」

ふらりと行った屋上にいたのは幸村と仁王、それに丸井。

ちゃきりと鋏がなった。


「じゃぁ、俺は床屋アシスタントしようかな。仁王、俺も切ろうか?」

微笑む幸村はあきらかに悪戯する気だ。


「幸村君はいい。仁王には金払ってるから信用あるけど・・悪戯するだろい。」


赤い髪がはらりはらりと白く、それでいて雨風にさらされ黒ずんだ床へと落ちていく。

あたりまえだろうと幸村が笑った。


「・・・蓮二も切ればいいのに。」

ふてくされながら私は幸村の隣に腰掛けた。


「なんで切らないのかも教えてくれないのよ。」


その言葉を聞いた瞬間幸村がにやりと笑った。

「ふふっ。きっとそれは仁王のせいだよ。」


「におう?」

ちゃきり


「なんのことじゃ・・・・あぁ〜あれか。」


ちゃきり

「あれってなに?」


「それなら陽のせいなり。」

「わたし?なんで?」

「仁王ちゃんときってんだろうな!?」

仁王がきっとるといって丸井をなだめる。



「陽、柳のテニスでは人の感情をよむのと同じくらい自分をよませないのが大事なことは知ってるよね。」


「えぇ、伊達に仲良くしてたわけじゃないわ。」


語りかけてきた幸村に答える。


「その参謀が感情バレバレやったことがあったなり。それを指摘してもうた。」


「あぁ、それ俺もわかるぜぃ。」

うごきんしゃんなと仁王が丸井を抑えた。

「目は口ほどにものを言うからね。蓮二は隠したかったんだよ。」


ちゃきん


「何の感情?」


ちゃきん


「お前さんが好きで好きでしょうがないっちゅー感情じゃ。」
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