柳君とZzz
□革靴を濡らして
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「そして誰が馬鹿なんだ?陽?」
「えっとその・・・・」
私はしどろもどろになってしまって
柳君はあきれたように笑って私の横に腰掛けた。
「俺から言わせれば陽のほうが馬鹿なんだがな。」
「うん、私のがもちろん成績悪いよ。」
そういえば、そういう意味じゃないと小突かれた。
「お前は今どうしようとしていた?」
「靴を拭こうとしてた。」
「そうじゃない。」
はぁ、と息をついて柳君は鈍いとか何とか言ってる。
「俺は今日、部活を早く切り上げてきた。」
「うん、」
「生徒会は休んできた。」
「うん。」
「何故だと思う?」
私はどうも思い至らなくて首を傾げてしまう。
すると柳君がふと立ち上がったので私は置いてかれるのではと不安になる。
不安?なんで不安になるんだろう。
私の不安とはよそに柳君は懐紙を手にとって私の前にしゃがんだ。
そしてそれが当然の行動であるかのように柳君は私の足を取った。