「俺様の何処を愛しているのか、語らせてやっても良いぜ」




丁寧な細工が施された豪華なソファにふんぞり返り優雅に脚を組む見目麗しい少年、名を跡部景吾という。
唯我独尊傍若無人、俺様何様跡部様。
普通は『俺の何処が好きなんだ』って、…あぁいや、そんな跡部は気持ち悪い事この上ない。跡部はこれで丁度良い…と思える位には、俺はこの男を好いている。愛してる、とは言ってやらないけど。




「宍戸」




跡部の奴は我儘で、焦らすのは好きなくせに焦らされるのは嫌がる。本当は俺がいかに跡部を愛してるか聴きたくて堪らないくせに、そんな事は決して口にしないままいつだって優位に立ちたがる。
何て奴だ、意味解んねぇだろ。こんなガキが部の、学園のトップとか笑わせる。







































あー、すっげぇ好き。












「お前のそーいう所、結構可愛いよな」

「アン?」

「だから、可愛いっつってんだよ」




意味が解らないと、跡部は小さく笑う。どうやら機嫌を損ねてはいないらしい。
碧い瞳が細められる。寧ろこの帝王様はご機嫌だ。











「お前の目、好きだ」

「碧いのがか?」

「あぁ、綺麗だし」




その瞳で見つめられると、射抜かれたみたいに、縛られたみたいに、動けなくなる。ずっとずっとその異国を見ていたいのに、全部を暴く様な強い光を放つから眩しくて逃げたくなる。
空みたいな、海みたいな、星みたいな。
いつだって、その碧い瞳からは逃げられない。


これが俺の精一杯の惚気だ。
そう言ったら、跡部の手が俺の頭に置かれた。





「成程、俺の瞳はお前を縛る鎖か?」

「んー…鎖っつーか、跡部」

「…意味が解らねぇぞ、アーン?」

「跡部が跡部だって証拠みてぇな」

「ほう」

「…だから、とにかくすげぇ好きだ。目が一番、良い」



























囚われて、囲われて。
逃げられない。
逃げてやるつもりも、ないけれど。

















「激ダサだけどよ、俺結構お前に惚れてんだぜ?」


























碧の箱庭。
(…今夜は寝かさねぇぞ)
(な、何でそうなるんだ変態っ!)

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