long...long....
□籠鳥
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01.
この記事を書き上げるまでに、実に二年もの歳月を経てしまった。
相変わらず根強く残る勢力は、壁となって立ちはだかったが、今こうして形になった事を嬉しく思う。
こちらとは、相変わらず深々と積もる雪のお陰で底冷えが耐えないが、懐かしさが上回って喜びに近い感情だ。
…あぁ、この様な事を綴ろうとしている訳ではない、さっそく本題に入ろうと思う。
今から綴る四季の記事の全ては、この瞳と身体に焼きついたものである。
信じ難い事実に、私自身も未だ夢の淵に浸かっている様な感覚が拭えない。
故に、虚像だと罵られても構わないと思う。
自らの瞳に映していないものを全て信じる事など、到底人間に出来たものではないと私は理解しているつもりだからだ。
ならば、何故綴るとお思いだろうが、これは私に課せられた使命だ、と考える。
沢山の犠牲を払い、私はその屍の上に立った。否、立つ運命で、又、彼と出会うのも運命だった。
彼の人の為だけではなく、自分の為にも此処に記す。
鳥は自由に空を羽ばたくから鳥なのだ。
人は自由に歩けるから人なのだ。
そんな当たり前の事が通らない狭く果てない世界は、酷く儚いものだった。