短編

白い孔雀はどこにいる
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同棲を始めて早5ヶ月。


同棲すると相手の嫌なところが見えるとは言うけど、ほんとに見える見える。


マダオな坂田さんが。


「坂田さ〜ん?」
「んむ〜…むにゃ…」
「も〜。」


日曜日だからと言って、昼12時まで寝ている坂田さんを起こしに行くが、声をかけても起きない。


まあ毎朝の事だから慣れたけどさ。


「坂田さんってば〜!もうお昼ですよ!」
「う〜……ん…」
「ちょっと!」


10時の時点で起こそうと思ったけど、仕事で疲れてるんだろうって寝かせてあげてたんだから、もういい加減起きてほしい。


布団の上から、坂田さんの体をガクンガクン揺さぶった。


「坂田さん坂田さーん!」
「ん〜…うるさい〜…」
「うるさいじゃないですよ。」


坂田さんは眠たそうな目をうっすらと開いた。


「ぱちだ…」
「おはようございます…ってか、こんにちは。」
「ぱちだ〜…」
「えっ…わあ!」


寝ぼけているのか、坂田さんは僕の腕を引っ張ってベッドにダイブさせた。


「ぶふっ!いたぁっ!鼻打った!」
「ん〜…新八…」
「ちょっと坂田さん!寝ぼけてるんですか?」


僕を隣に寝っ転がせた坂田さんは、そのまま僕の体を抱き締めてきた。


「新八、新八…」
「はあ…新八ですよ、坂田さん」
「新八ー」


何が面白いのか坂田さんはクスクス笑って、僕の髪に頬ずりをした。


やっぱり寝ぼけてるよ。


「このまま寝よ…」
「だぁめですよ。もうご飯炊けますし」
「良いじゃ〜ん…」
「ちょっとー!」


坂田さんは僕を逃さないように、足でガッチリホールドしてきた。


「お味噌汁火にかけてるんですからね!」
「大丈夫大丈夫…ふあ〜…」
「ほんとに寝るつもりですか!?」


坂田さんは大あくびをかまして、ほんとに寝る体勢をとった。


するとその時、台所からブクブクと音が聞こえた。


「あっ!お味噌汁煮立ってるゥゥ!」
「大丈夫〜…」
「何がだァァ!離して下さいコノヤロー!」


バタバタ暴れると、僕を抱き締めている腕と足に、さっきの2倍の力を込めてきた。


「やだ。このオタクメガネコノヤロー…」
「なんだその傷付く言葉のチョイス!ほんとは寝ぼけてないでしょ、あんた!」


バシンッ!とツッコミがてら頭をひっぱたいて布団から脱出し、台所へ走った。


軽く泡立つお味噌汁の火を慌てて消した。


「あ〜…」


お玉で少し掬って、おそるおそる味見をしてみた。


「…お、ギリギリかな。良かった〜」
「ふあ〜…はよ〜」


坂田さんはお腹をボリボリ掻きながら起きてきた。






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