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「良いか?側近ってのは俺の世話役みてぇなもんだ」
「銀時様のお世話役、ですか」
朝から新八を部屋に呼び、側近という仕事の説明をした。まあ側近なんてつけたことないから、適当にやってほしい事と、周りの奴らの側近がやってる事を言ってるだけ。
「そ。まあ見ての通りこの汚い部屋の掃除とか、俺の仕事の手伝いとかな」
「お仕事…」
「仕事っつっても書類関係だけな。あと、お前の服は昨日のうちに業者に頼んだから」
「業者さん…!?」
「うち専用のな。今日寸法測りに来るってさ」
そのいつもの業者は寸法を測り、顔を見、そいつに合う服を勝手に見つけてくれる。楽だからいつもそこに頼んでいる。信用もおけるしな。
「そんなわざわざ僕のためにっ!」
「まあいつまでもその格好じゃアレだしな」
新八は俺のむか−−−っしのパジャマを着ている。つまりおさがりだ。
「あとの仕事はその時その時に言うわ。分かったな?」
「はい!銀時様」
話が終わったちょうどその時、ピンポーンとチャイムが鳴った。
インターホンの画面は各部屋に付いていて、俺が居るときは俺が出る。
「初仕事だぞ新八。出てみ。そのボタン押しゃ、画面に玄関映っから」
「はっはい!ボタン…」
新八は慣れない手つきでボタンを押すと、ウィン…と小型テレビぐらいの画面にでかでかと来訪者が映った。
「ど、どちら様ですか?」
「沖田でィ。呼ばれたんで来ました」
「沖田、さん?」
俺は戸惑う新八の上から顔を出し、画面に向かって話した。
「お−開けるから俺の部屋来い。新八、そのボタン押してみ」
「これですか?」
「それが玄関が自動で開くボタンな。」
「凄い…」
もう沖田は屋敷に入ったようで、画面には何も映ってなかった。
「あの、沖田さんって…?」
「さっき話した業者だよ。表向きは服屋だけど、裏は俺らと一緒」
「さっきの人が洋服屋さん…」
新八はインターホン画面が自動で閉じるのを眺めながら呟いた。
「旦那−」
特徴的な間延びした声が扉の真ん前で聞こえた。
「お−来たぞ。」
「あっ、はい」
新八はその言葉の本意が分かり、扉に駆け寄り、開けた。
「失礼しや−…あ。君ですかィ?側近ってのは」
「あっ…は、はい!志村新八ですっ」
新八はどもりながらもお辞儀をした。多分、生の沖田の顔の綺麗さに緊張してる。見た目に騙されんなよ、新八!
「へ〜…。旦那の初めての側近だからどんなんかと思いやしたが、同い年ぐらいですかねィ。沖田総悟でさァ」
「よっ、宜しくお願いします」