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笑顔で乗り切れ! 5題-1
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「あっ銀時様!ちょうど良いところに!」


居間を出て広い部屋をいくつも開けて覗き、また違う廊下に出てまた扉を開けて…まるで迷路だ。

そう思っていると裏口から突入した部下達に会った。


「お〜どうした?」
「ここら辺探しても子供が1人も居ないと思ったら、地下に続く階段がありました!」
「子供はそこか。奴は子供を隠してから自殺したのか。」
「自殺してたんですか」
「あぁ。どっかで感づかれたらしくな。まあ殺すつもりだったから好都合だ。取り敢えず降りるか」
「はっ」


部下を連れ、暗闇に続く階段を下った。


階段が終わり地下へと降り立った。

埃臭く、真っ暗で何も見えない。


「誰か居るか〜?」
「ぎ、銀時様!危険です!」
「平気平気。居たら返事を、」


カ…と足元で音がした。何か蹴ったようだ。


「何か落ちてますね」
「俺今変なもん蹴ったし。靴汚れてね?」
「いや見えませんって」
「銀時様!電気のボタンがありました」


部下がかちりと電気を付けると、目の前の光景に驚いた。


「ぎ…銀時様…!」
「…ちっ!あの変態子供をバラしてやがったのか!」


床には赤々とした子供の手や足、髪の毛などが散らばっている。

俺が蹴ったのは手だったようだ。


「どう致しますか?」
「…この処理は裏のそっち専門に回す。取り敢えず、」
「銀時様!1人生きてる者が居ます!」
「何!?」


部下の方に歩み寄ると、気を失ってるがハアハア…と息をする子供が倒れている。


「生きてんな…。よし、こいつは俺の本邸に運んで主治医に診せるわ。お前らは他の生存者を探せ」
「はっ!」


俺はその子供を抱きかかえて先に車へ戻った。


走り回れるくらい広い車の中にその子供を寝かせる。


「こいつはどこも斬られてねぇのか…」


他の子供はバラされていたが、この子供は頬のかすり傷や手足の痣くらいしかなかった。


絆創膏で応急処置をした。


「にしても綺麗な面してんな〜」


ロリコン変態が集めていた子供だけあって綺麗な顔をしている。

髪は俺の正反対とも言える黒でストレート。ムカつくくらいサラサラだ。今は少し埃を被っているが。


そんな事を考えながら、仕事を終えたと女王様に連絡をし、部下を待っていると直ぐに皆戻ってきた。さすが俺の部下。


「生き残りは彼だけでした。」
「そうか。葬儀屋に連絡は?」
「先ほど。直ぐ来るそうです」
「そうか。じゃあ俺らは帰るぞ。」
「はっ」


部下の運転する黒に揺られ、そびえ立つ城のような俺の家へ帰った。

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