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新八が側近になってから2週間が経った。


もう俺の世話にも慣れ、屋敷内の構造も覚え、部下達とも仲良くなったようだ。

でも、当たり前だけど1番俺に懐いてくれている。

ただそのせいか、


「銀さん!またお菓子食べましたね!?」
「うっ」


説教が増えた。

ちなみに銀さんという呼び名はこの前新八が「銀時様って言いづらい」と勝手に呼び出したものだ。


「ほんとに糖尿病になりますよ!?ここの人達皆さん銀さんに死なれちゃ困るんですから!」
「でもさ〜銀さんこんなに働いてさ〜」
「だから2日に1回は甘いもの許してるでしょ」
「少ないんだよ〜」
「とにかく!食べちゃダメですよ!」
「ちぇっ」


俺に説教をしながら、新八は慣れた部屋の掃除を終えた。


「銀さん今日は会議がありますけど」
「あ―そうだったわ。夜中なんだよな〜。めんどくさ」


ペンを置いて書類書きを中断した。ギシッとイスの背もたれに寄りかかる。


「準備とかは…」
「部下にやらせるから平気。今日は裏の奴らだから地下の会議室な。」
「裏、ですか」
「そ。今日の連中はまあ凄い奴らだぞ。」
「沖田さんとかも来るんですか?」
「来る来る。そこのボスと沖田と、もう1人仕切ってるいけ好かない奴も」
「はぁ」
「後は新八が知らない奴らもな。今日はお前も連れてくから」
「あっ、は、はい!」


新八をこういう会議に連れて行くのは初めてだ。慣れないとビビるだろうし、一応信用がおけるまで待っていた。


「服は正装な。この前沖田から届いた赤のリボンのヤツにしとけ」
「は…はい」
「んな緊張すんな。俺の近くに居りゃそれで良いから。」


ぐりぐりと頭を撫でると、新八は少し照れたような顔をする。

何回やってもこういうスキンシップには慣れないみたいだ。


「はあ…」
「ちょっとやべぇのも居たりすっから、話しかけられてもむやみに答えたりすんなよ?あと1人でどっか行かないようにな。」
「あ、危ない人が居るんですか」
「まあ信用はおけるがな。金持ちは変なんが多いのよ。」
「ですよね」
「いや何で即答?俺の事変だと思ってたの?」
「ははは。紅茶淹れ直してきます」
「何その棒読み!」


冷めた紅茶が入っている俺のカップを持って、新八は部屋を出て行った。


新八が来てからは凄く楽だ。


掃除をしてくれたりするからってのもあるけど、何つうか、あの普通さに安心する。

部下達もそれを感じているらしい。新八に笑顔を向けられると鼻の下が伸びてやがる。


俺はやっぱり巨乳の姉ちゃんが好きだから、鼻の下は伸びないけど。


新八が来る前は店の姉ちゃんを呼んでヤっていたが、今は隣の部屋が新八だからさすがに悪くて部屋ではシてない。


事情を知る部下を何人か連れて、夜中にこっそりホテルに行ってヤってる。


めんどいんだな、これが。

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