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笑顔で乗り切れ! 5題-1
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どんな社会にも組織にも“裏”ってもんが存在する。


俺、坂田銀時は裏の人間だ。女王様直々の裏社会の人間。


「銀時様。例の屋敷に着きました」
「あ〜。今日は変態ンとこか。」
「三条院利光。表では宝石屋を営んでいますが、裏では成人以下の子供達を誘拐し、監禁しています。」


俺の仕事は違法な奴らの取り締まり。警察が手ェ出せないような奴らのな。


「ロリコンかよ。親から捜索願いは?」
「奴が攫うのは捨て子や孤児だけだそうです。」
「なるほどな。絶対的な存在だと思わせるってのか」
「正面から行きますか?」
「お前らは俺と来い。他は裏口から入れ。子供の保護を優先せよとのご命令だ。」


取り締まりっつっても逮捕なんていう生ぬるいもんじゃない。


「まあ裏を返しゃ……子供以外はヤれっつ―ことだ」
「はっ!!」
「行け」


俺の合図で部下達が裏口にまわった。


残りの部下は俺につき、正面突破。


「銃は構えとけよ。金持ちは何すっか分かんねぇ」
「はい」


チャ、と皆銃を構える。

裏じゃ銃持ってるなんて当たり前だ。法律なんてあってないようなもん。


「行くぞ」

ガチャ…と玄関のドアノブを捻る。

「開いてるのですか?」
「…あぁ。感づかれてたか」


鍵もかけないで逃げ出したか、俺達に立ち向かえると思って鍵を開けといたのか。


「まあ良い。進む」
「はっ」


見るからに高価な絵画や壺で飾られた廊下をゆっくりと歩く。


「仕掛けてこねぇな」
「逃げられたんでしょうか?」
「どうだかな。取り敢えず居間まで行くか」


長い廊下をひたすら歩き、高価な宝石で彩られた馬鹿でかいドアを開けた。


ギギギ…と音がする。部下が先に入り銃を向けた。すると部下は焦ったような声で叫んだ。


「銀時様!三条院がっ」
「何?」


その声につられ居間へ入ると、三条院が血を流して倒れているのが目に入った。


「…この刺し方…自殺しやがりましたね」
「あぁ。本人か確認しろ。」
「はっ」


部下達は三条院の死体から血、毛髪を取り、専用の機械に入れる。


「………来ました。三条院利光本人です。」
「よし。死体をくるんで女王様の元に運べ。俺は子供を捜す」
「はっ」


死体は部下達に任せ、俺は子供を捜すために居間を出た。

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