駄文

□素直な心
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土方が何とか女の子達を振り切って戻って来た時には俺の機嫌は斜めに折れ曲がっていた。



「…………おい…」


「なに……………」


「なんで、いきなり機嫌悪くなってんだよ」


「は?別に普通ですけどぉ?」


と、態度も口調もいつもと変わらないのだが目を合わせない…。

だって、しょうがないじゃん?

俺の性格上表には出せないけどさ…



……誰だって自分の彼氏が自分以外のヤツと仲良くしてたら気分良いもんじゃないだろ?



「だったら、ちゃんと「あの〜、お二人で来てるんですかぁ?ウチらも二人なんだけど良かった一緒しませんかぁ?」


土方が俺に詰め寄ろうとしていた所に同年代位のギャルっぽい感じの女の子が声を掛けてきた。

……まぁね、男2人で海なんて、普通はナンパ目的だと思うよなぁ〜

ましてや、不本意だか一人はかなりの美丈夫だ。それがなかなか声を掛けて来ないものだからヤキモキして逆ナンに踏み切ったのだろう。


「あ〜マジでぇ〜…?」


どうすっかなぁ…俺はこう見えて普通の子にはフェミニストな訳よ。女の子には恥かかせらんねーじゃん?


なんて考えてたら、いきなり土方に肩を抱き寄せられた。


「悪いけど、他当たってくれ…」

って言ったかと思ったら俺の肩を抱いたまま、その場から離れて行く。


「えっ!?ちょっ!!?おまっ」


「……………」



土方は俺の抗議の声を無視してどんどん歩いて行く。


女の子達が気になって振り返って見れば「何あれ、感じ悪ぅ〜」などとブツブツ言ってはいるが、そんなに気にしていない様で安心した。



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