壱
□無題/妙+九
1ページ/1ページ
腕にすっぽりと収まる小柄な女の子は、少し男勝り。自分を守ってくれると名乗り出た頼もしい女の子は、自分より小柄で可愛い。
なのに、他の男にも女にも見向きもしないで、ずっとずっと追いかけてきてくれた女の子。誰よりも努力している女の子。
「好きよ、九ちゃん。だから、無茶しないで。」
包帯を変える際に見えた九兵衛の体にある生々しい傷口の数々。耐えきれなくなった妙が、すっぽりと前から抱きしめる。
九兵衛の顔が見えない程、前からキツく抱きしめる。だけど、きっと顔が赤いのはわかってる。
「妙ちゃん、キツいよ…」
泣きそうな声で呟いた。
過去ログ/今までよく頑張ったね