青春は止まらない

□#1 女子高生
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朝、満員電車に揺られて駅に着くと、丁度反対側の電車から友人が降りて来て手を振った。私に気付いた友人は手を振りながら近づいて来た。

「優希おはよう!ねぇねぇ昨日のドラマ見た?ジャニーズの〇〇くんが主役のやつ!」

「おはよう美香。もちろん見たよ!〇〇くんマジカッコ良過ぎだったんだけど!」

都筑 美香(ツヅキ ミカ)五十音順で席が前後になった友人だ。彼女も今時の女子高生らしくボブヘアーを茶髪に染め、緩くパーマをしている。

二人でキャアキャア言いながら歩きだす。学校に着くまでの間、会話は一度も途切れなかった。

話題は女子高生らしく、昨日見たTVの話しや流行りの音楽、化粧品、授業の内容とポンポン変わっていく。

途中から他の友達が合流したら、何故かまた最初の話題に戻って同じような事を話し続けた。

それは学校に着いてからも同じで、HRの鐘がなるまで続いた。


高校入学して一週間が過ぎた頃から緊張も溶けたのか、お調子者の男子達が騒ぎ始める。

始業の鐘が鳴っても席に着かず、先生が話してても騒いでる。

そのせいで中々授業も進まないし先生の話しも聞こえない。厳しく叱る先生もいれば静かにたしなめる先生、軽く注意をしてもう一度同じ事を話す先生と先生方にも色々な人がいる。

叱られ続ければお調子者達もふざける先生を選ぶようになった。

年配で厳しく叱る先生の時は程々にして、若くて経験の浅い先生や気の弱そうな先生の時は思い切りふざけている。

「あーあ、またいつもの奴らが騒いでまた授業進まないね」

「だね。でも後五分だし今日はまだマシじゃない?」

後ろの席から美香がこっそり話しかけて来たので、それに同じように言葉を返す。

「ねー。しかもあの先生気が弱いのか注意も全然しないし」

「あー…確かに。国語の先生も気が弱い方だけど、大人しい系の子やアタシらみたいのが喋ってたら注意してくるもんね」

「あの先生ウザいよね。注意すんなら全員平等に注意しろって感じ!」

「ホントホント。まだ厳しく全員叱る家庭科のオバチャン先生の方がマシじゃね?」

「え〜?アタシはあのオバチャン先生嫌〜い。だって説教長いんだもん」

「じゃあ数学の…っと、鐘なったからまた昼休みにでも話そう。次体育だし」

「OK!あと他の子も誘おうね」

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