青春は止まらない
□#1 女子高生
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美香と最初に本屋に行き雑誌を購入しながら他に目ぼしい本を探したり、雑貨屋で可愛い小物見てお店を冷やかした。
マックで注文したのを受け取って席に着く。
「あー!楽しかった!欲しい雑誌も買えたし」
「あの雑貨屋も可愛いの多くあって良かったよね!」
アレがどうだった、コレがこうだったとかキャイキャイはしゃいでいた。
「アップルパイうま〜!」
「バニラシェイクとポテトも美味しいよ!」
「朋ちゃんとナミちんもこれたら良かったのにねー」
「朋子も奈美も無理でしょ。部活入ったばかりだし」
「朋ちゃんは吹奏楽部でナミちんは陸上部だっけ?二人とも大変そうだよね」
「…由利はバイト始めるみたいだし、何か三人に置いてかれてるみたい」
ポテトをつまみながらポツリとそう溢せば、私達の周りの空気がシーンと静かになった。
そのまま少しの間、私達は何も喋らなかった。ただ周りのザワザワとした音だけが聞こえていた。
私がこんな空気にしてしまったのだから何とかしようと、口を開きかけたが何を言えば良いか解らずただ黙って下を向いた。
「……確かにゆりりん、ナミちん、朋ちゃんってこう、なんて言うか“青春してる”って感じだよね」
私が黙っていると、美香がポツリ、ポツリと話しだした。
「バイトを始めるゆりりんは何か大人って印象をうけるし」
由利は私達五人の中でも一番背が低く、セミロングの髪を薄茶色に染めパーマを緩く当てふわふわしている。顔もどちらかと言うと可愛い系だから、大人と言う言葉から一番遠く感じる。
なのにバイトをしてお金を稼ごうとする考え方や姿は、私達の誰よりも大人に見えた。
「ナミちんは運動部って事もあり、性格はかなり男前で言葉使いもたまに乱暴なのに――ふとした時アタシとは何かが違うって思うんだよね」
奈美は運動部らしくショートにした髪は日に焼けて傷んでおり、肌も健康的な小麦色をしている。背も平均より少し高めだ。
男前な彼女は会話とかもサバサバしているため一緒にいると居心地が良かった。
でも、そんな彼女の部活している時の姿はいつもと違っていた。一所懸命にひたすら前を見て走るその姿は、汗をかいて泥で汚れているのにキラキラと輝いていた。
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