Eternalrevolution
□森の魔物
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鬱蒼と茂った木々をかい潜り、ザックは森に入っていった。
「ザック、灯り」
ランタンを渡され、ザックはキャズを振り返る。
「そういや、お前は夜目が効いたな」
「うん、大丈夫」
キャズは、夜でも昼と同じように見えるらしい。
「何かあったら、報せろよ」
そう言い、お互いを見失わない程度の範囲で捜索する。
「ザック…霧だ」
キャズの声に、ザックはそちらに向かった。
確かに、紫の霧がまとわりついてくる。
「…紫か」
呟いた瞬間、何かの気配がした。
「…何か、いるのか?」
ゆっくりと、手で探る。何もいないようだと判断すると、ザックはキャズの方を見た。
「キャ…」
その途端、キャズの背後に紫のマナが見えた。キャズのマナよりは弱いが、明らかにキャズとは違う。
「キャズ、伏せろ!」
ザックはそう言うと、炎のマナを手に集めた。火の玉を、一気にキャズの背後に叩き込む!
「ギャー!」
不気味な叫びを残し、『何か』が倒れる。
「な、なに!?」
キャズが慌てて振り返れば、『何か』はまだもがいていた。
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