創作書物
□超創機大戦(SS)
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「…御無事で何よりですわ、さ…早く御逃げになって…」
寧音は瞑緒に逃げる様に促す。
「何言ってるんですか!?貴女を置いてなんていけません!肩を貸しますから…一緒に逃げましょう!」
-スッ-
瞑緒は寧音に肩を貸し、寧音を起こして歩み出す。
「お待ちになって」
-ピシュゥン-
「これは…?」
「CCTWの素体コアですわ、これを持って逃げて下さいまし、私が時間を稼いでみせますわ」
寧音は瞑緒に小さな筒状のチップを渡し、自らは瞑緒から離れようとする。
次の瞬間…
-キュゥゥゥゥゥン-
「な…なんだこれ…!?」
「…鉱が…反応していますの…?」
弐世鉱参式の素体コアが瞑緒の手の中で反応して輝き、寧音は驚いた様に呟く。
-ズギュゥゥゥン-
「ああ…!?…僕の中に…この子の力が…!?…流れてくる…!」
「…落ち着いて、ありのままを受け入れるのですわ!」
弐世鉱参式の素体コアが瞑緒と共鳴し、力と情報の奔流に瞑緒は翻弄されるが、寧音は一喝して瞑緒を落ち着かせる。
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
CCTWの構築が始まり、瞑緒の身体に無限数値の集合体が次々と統合されていき、瞑緒の身体は弐世鉱参式の装甲に包まれていく。
-シュゥゥゥゥゥン-
-ギショォォォォォォン-
最後にコクピット・フィールドを兼ねたバリア・システムの金環障壁が展開され、瞑緒は弐世鉱参式の装着が完了する。
「弐世…鉱…参式……!」
「……!」
瞑緒は寧音をお姫様抱っこした態勢で呟き、寧音は意識して言葉を失う。
『………』
-ガシュゥン-
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
-ズドォォォォォォォン-
無人型CCTWは瞑緒に向かって手足の大出力レーザー砲を放つ。
-ビビッ-
「来ましたわ!金環障壁を展開なさい!」
「ハッ!?鉱!金環
障壁!最大出力!」
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
-ドォォォォォォォン-
瞑緒の言と共に弐世鉱参式は金環障壁を展開し、大出力レーザーを防ぐ。
-シュゥゥゥゥゥン-
「ふ…防ぎきった…?これなら…!」
瞑緒は無傷の弐世鉱参式と町を見て呟く。
「エネルギー残量に注意なさい!あれほどの出力のレーザーを防いだのです…もうそんなに残ってはいないはず…」
寧音は瞑緒に注意を促し、二人は弐世鉱参式のエネルギー残量をチェックする。
「エネルギー残量…満タンのまま…なんだけど…?」
瞑緒は弐世鉱参式のエネルギーメーターを見て寧音に言う。
「え…エネルギーが…通常の…10倍…?」
「え…?」
寧音は弐世鉱参式の桁違いのエネルギーメーターを見て驚く。
『………』
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
-ズドォォォォォォォン-
-ズドォォォォォォォン-
無人型CCTWは大出力レーザー砲を連射する。
「防げぇぇぇ!!」
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
-ドォォォォォォォン-
瞑緒は弐世鉱参式の金環障壁を展開し、正面からレーザーを防ぐ。
「こ…これは…エネルギーを…吸収していますの…?」
寧音は弐世鉱参式のエネルギーが消費されていない事と大出力レーザー砲のエネルギーが弐世鉱参式のエネルギーに変換されている事に気付く。
-カシィン-
-シャン-
『………』
-ドォォォォン-
射撃でダメージを与えるのは無理と判断したのか、無人型CCTWは近接戦闘用の圧縮波動刀を展開して瞑緒の弐世鉱参式に向かう。
「腰の長船を抜きなさい!はやく!」
「腰部刀剣システム…?これか!」
-カシッ-
-シャン-
寧音の言で腰の重量に気付いた瞑緒は、構築されて実体化した刀の柄に手をかけて抜刀する。
-スガァァァァァン-
-ググググググググ-
瞑緒の弐世鉱参式の長船と無人型CCTWの圧縮波動刀が激突し、鍔迫り合いを展開する。
-ウゥゥン-
『………』
-ガキィィィン-
-シュン-
「フェイント…右から来ますわ!」
「其処か!」
-スガァァァン-
無人型CCTWは幾度か圧縮波動刀で斬りつけるが、寧音のサポートを受けた瞑緒はそのたびに受け止める。
-ググググググググ-
「このぉぉ!!」
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
瞑緒の感情に反応してか、弐世鉱参式の長船の刃が光り出す。
-グググググ-
-バシュゥゥゥゥン-
『!
』
弐世鉱参式の長船が無人型CCTWの圧縮波動刀を泥の様に切断し、無人型CCTWは全方位有線レーザー砲と手足の大出力レーザー砲を展開する。
「至近距離で撃つ気ですわ!回避を!」
「やらせるかぁぁ!!」
-ゴォォォ-
寧音は瞑緒に回避するように勧めるが、瞑緒は長船を構えて無人型CCTWに突撃する。
-バシュゥゥゥゥ-
『!!!!!』
-シュゥゥゥゥゥン-
長船の刃が無人型CCTWの胴体を貫き通し、無人型CCTWは痙攣して武器のチャージを停止させる。
「ウオォォォ!!」
-ググググググ-
-ズバァァァン-
-バチュゥン-
-チュドォォォォン-
瞑緒は弐世鉱参式の長船で無人型CCTWを叩き斬り、両断された無人型CCTWは空中で爆発する。
-ズゥン-
「ハア…ハア…やったのか…」
瞑緒は無人型CCTWの反応がなくなった事を確認して呟く。
「…まあまあでしたわね、もう解除してもよろしくてよ」
-シュゥゥゥゥゥン-
寧音は瞑緒に言いつつ、自身の弐世鉄参式を解除する。
「はやくしないと見つかりますわ」
「えと…解除って…どうするの?」
瞑緒は寧音に説明を求める。
「装着時に流れて来た解除コードをイメージして御覧なさい、あとはCCTWがそれを理解して処理してくれますわ」
「解除コード…こうかな…?」
-シュゥゥゥゥゥン-
瞑緒は寧音の説明に従って装着解除のコードをイメージし、弐世鉱参式を解除する。
-スッ-
「申し遅れましたけれど…、私は鳳凰院寧音と申しますわ、貴方は?」
寧音は自己紹介を済ませ、瞑緒に手を差し伸べる。
「…僕は柳楽瞑緒、宜しく」
-ガシッ-
瞑緒は自己紹介して寧音の手を握る。
…この握手が、瞑緒の運命を大きく動かす事になる…。
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