創作書物

□混迷記一部語り
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裏日本将星統合学園にて…

「神父様、神父様はどんな女性が好みなんでしょう?それを知りたくて私は悩み苦しんでいます」

「神父様はモ〜ホ〜というのは本当でしょうか?私はそれを確かめないと眠れなくて」

二人の女子生徒が光牙の前に跪き、祈るようにして言う。

「…懺悔なさい、有りの儘を告げ、祈りを捧げれば神はお許しになるでしょう…」

光牙は二人を見て言う。

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「どうだった?」

「うんうん!やっぱり神父様ってば良い!キター!!!って感じ!」

「あのクールな感じと慈悲深い微笑みで新刊出せるよぉ!」

「顔も性格も良くて学園の生徒会副会長!おまけに成績優秀で理事長御墨付きのエリート!ガチよガチ!」

「さあ!創作力も補充したことだし!我々創作部は活動を再開するわよ!!」

「りゅんりゅん…燃えてる…」

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「………」

「御苦労様、アーサー」

-コト-

シスターの一人が紅茶を入れ、卓上に置く。

「有り難う、ランナー」

光牙は卓上に置かれた紅茶を受け取り、丁寧に飲む。

「ほらほら、営業スマイルが崩れてるわよ、先は長いんだからしっかり神父様をしなきゃ…さ」

蘭南は光牙の頬に触れて言い、微笑む。

「兄さん、もう少しで会議だって」

制服に着替えた結依菜が光牙と蘭南に言う。

「分かった、直ぐに準備する」

光牙は真顔になって言い、奥の部屋へと入っていく。

「おやおや、相変わらずのお兄ちゃんぶりだこと」

蘭南は真顔になった光牙を見て少し呆れた風に言う。

「蘭南さん、空から…来るんでしょうか…衛星連合軍が…」

結依菜は蘭南に言う。

「…それっぽい情報はあるんだけど…それがどこかは分からない、今の私は…もう軍部とは関わりが無いから…」

蘭南は少々沈んだ様な表情で言う。

「そう…ですよね…、ごめんなさい…」

結依菜はベヘモス戦争の事を思い出し、蘭南に謝る。

「ん〜…、な〜んか久し振りに…結依菜ちゃんに触りたくなってきちゃったな〜」

申し訳ない表情を見せる結依菜を見た蘭南は、背伸びをした後に悪戯っぽい微笑みを浮かべて結依菜に言う。

「御断りします」

「あら、残念」

結依菜はクールに切り返し、蘭南は残念そうに脱力して座り込む。

-カチャ-

「準備は出来た、さて…行くか」

「わっと!?待ってよ兄さん!」


服に着替えた光牙は、結依菜と蘭南を見て言い、奥の部屋からは慌てた様子の雫石が駆け出てくる。

「もう、雫石ったらまた制服乱して…」

「ね…姉さん、恥ずかしいよ!」

結依菜は雫石に近づき、制服の乱れを直すが、雫石は恥ずかしがる。

「何言ってんのよ雫石ちゃん、お姉ちゃんが折角やってくれるんだから甘えちゃいなさいよ」

-ガシッ-

「ら蘭南さん!?」

蘭南は暴れかねない雫石をガッチリと固めて言い、雫石は蘭南の感触に赤面する。

「ランナー、あんまりやると雫石が恥ずかしがって泣くからやめてやれ」

見かねた光牙は蘭南に言う。

「別に良いじゃん、アーサーの意地悪〜」

蘭南は雫石をガッチリ固めたままブーイングを放つ。

「…ランナー、お前はもう少し……、……済まない…」

光牙は何かを言いかけるが、蘭南の物悲しげな表情を見てこらえる。

「…!」

光牙が顔を背けるや、蘭南もハッとして表情を整える。

「どうしたの?蘭南さん…」

雫石は力を緩めた蘭南を見て言う。

「何でもないよ、さあ…行こう!」

「うん!」

蘭南は何時もの調子で言い、雫石は力強く頷いて言う。

「…(蘭南さん…まだ…)」

結依菜は蘭南の作り笑顔を見て心を痛める…。

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学園都市の外…地下都市へのゲート付近にある都市にて…

「で…会長、一つ聞いても良いか?」

光牙は隣にいる生徒に向かって言う。

「何ですの?浅野副会長」

縦ロール髪が特徴的な女子生徒が光牙を見ずに言う。

「何故私だけが神父服でこの様な活動を…?」

神父服の光牙は、表面上は落ち着きつつもやや怒気を含めた口調で言う。

「あら、それはその方が面白いからに決まってますわよ?」

会長は当然の様に言う。

「………」

「副会長…堪えて堪えて」

会長の言動に光牙は怒りとも諦めともつかないオーラを出し、それに気付いた他のメンバーが光牙を抑えにはいる。

「…それに理由はまだまだありますわ、お聞きになられて?」

会長は自信満々の表情を浮かべて言う。

「時間の無駄です、活動を優先しましょう」

「察しが良くて助かりますわ」

光牙は溜め息混じりに言い、活動を開始する。
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