†捧げ物†

□確かな答え
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孫市がおずおずと慶次の座る岩の隣に座ると慶次は笑って盃を渡す。
孫市も訝しげに見ていたが、まさか毒など塗って無いだろう。受け取り慶次の酌で酒が注がれた。




「アンタはやっぱり連合側に付いたか」
「お前こそやっぱり魔王の下に付いたんだな」
「下、って言うのはちょっと違うさ。俺が、自分で遠呂智に付こうと思ったんだよ」
友だからな、と楽しそうに語る慶次に孫市はイラッとくる。




では兼続はどうなんだ。お前の上司で面白い奴だって言ってたじゃないか。お前が憧れてた謙信はどうしたんだよ。今や図らずも俺らや信長の軍と同じくして遠呂智と戦っている。









――――――俺は、どうなんだよ。










顔をしかめる孫市に慶次は溜め息を吐いた。それが余計に孫市の癇に障った。
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