†捧げ物†

□取持つは、蝶
3ページ/11ページ

嬉しそうに頬を染める若い女を携えているのを。









嫌がる素振りも見せず腕を絡ませ、娘はさも当然とばかりにぴったりとくっついて離れない。
孫市は金縛りに遭った様に動けなかった。






何でだよ。何で嫌がったりもしないで好き勝手させてんだよ。






頭がグラグラする。気持ちが悪い。
心の蔵がまるで釘でも打たれた様に苦しい。






そして更に追い討ちを掛ける様に、それは目の前で繰り広げられた。








口付けを、したのだ。








気がついたら、孫市は頼んでいた団子も忘れて駆け出していた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ