ソレイユの悲劇

□第三話
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最近わかったことがある。
俺とワインは今まで兄弟らしくいたことは、ずいぶん長い間なかった。けど、修復は余裕、むしろ、簡単すぎ。



太陽も高くあがって、もうそろそろ昼食の準備をしなければならないころ。
風が心地よく吹いて、絶好の読書日和で。
「あのー、クロエ様」
侍女役であるユーデュロイは、実は誰もが思っていて口にできないことをクロエに聞いた。
「なに」
クロエは本を持っていた手を下ろしユーデュロイをみた。
「……このあいだ魔術で殺し合いをしていた仲でも、こんなに早く仲良くなるものなんですか」
「……何が言いたいんだよ」
「えと、2人して寝転がられると、掃除がしにくくて敵いませんから。どいてください」
「……」
「目悪くなりますよ?」
ようするに邪魔ってことだろ。
クロエは頭をワインの腰から離した。
2人がどんな態勢で読書をしていたか。ワインが腹ばいに寝転んでいて、その背中、というか腰にクロエが頭を乗せ本を持ち上げて読んでいた。
クロエは腕が痛くないのだろうか。
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