少年の手帳

□あちら側と死と側らちこ
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暗い闇の中あの子の誘惑が聞こえてくる
あの子の声もまた聞こえる

君はまだここにいるのかと

いつでも止まることはできるけれど
止まりだしたら もう進むことが怖くなるよ

幾つもの扉の狭間で 沢山のノックが聞こえる


早くこっちへ
こっちへこないのかと


のぞき穴をそっとのぞくと、のぞき穴から白い手がおいでとゆれだす

あの子は語りかける

君がどんな選択をしても 僕は止めないけれど

自ら走ることを止めるのは 許さない

苦しいなら休めばいい
ただ止まることはいけないよ


大丈夫。
僕がいつだってそばにいる

楽しい時も一緒に笑ってあげる
嬉しい時も一緒に喜んであげる
しあわせな時も一緒に。
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