少年の手帳
□冬の砂
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冬の砂…
『あの砂はなんと言うのだろう…』
砂漠のようにいちめんに広がる砂と空の世界…
砂は雲よりも白く、空の蒼さを引き出していた
地平線には世界の宝石を小石に変えてしまう素晴らしさがそこにあった
最初は鉱石かと思った…
触ると溶けて水へ変わる
とても冷たく自分は暖かいのだということを思いださせる砂
『なんと罪深い砂…』
その砂は時として山に雨が降るように空からくるという。
男は冬の砂を"雪"《snow》となづけた眠りについた。
冬の砂《snow》の中で。