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□悪魔誕生
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〈悪魔誕生〉
周りの物全てを飲み込んでしまう。
周囲には非常に強い重力場が作られるため、ある半径より内側では脱出速度が光速を超え、光ですら外に出てくることが出来ない。
ブラックホールの中心には、密度、重力が無限大である特異点がある。
そこでは時空の性質を記述する一般相対性理論が成り立たないため、特異点の性質その他を従来の物理学を用いて議論することはできない。
そんなバケモノが実際にこの世に存在する。
恐怖の将である悪魔将軍は自分の部下にする骨のある悪魔超人を探していた。
聞いたことがある。
四次元より来たりし者……其の者は四次元を自由に移動でき、獲物を無に変えしてしまうと……。
実に我が部下に欲しいものだ。
天上界より白銀の鎧に身を包んだ将軍は、ニヤリと笑って悪魔の居る所へ歩を進める。
その姿は、白い霧のように儚げに消えた。
悪魔将軍の探している超人の名はブラック・ホール。
今まで誰にも負けたことなど無かった四次元超人は一人で静かな場所でくつろいでいた。
彼は座ってウトウトと目を瞑っていたが、何か今まで感じたことの無い気配に気が付き臨戦態勢にはいると。
「流石だな、完全に気配を消していたのだが」
闇の中くっきりとその白銀の鎧を身に纏った悪魔将軍が姿を現した。