FanFiction Novel
□宴 伊江村八十千和診療日誌抜粋
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「斑目三席」
と声をかけると、横から茶わんを差し出され、無理矢理受け取らされるとそこに酒を注がれた。
御猪口ではない、茶わんにだ。
「わ、私は酒を頂きに参ったのではありません」
きぜんとした態度でこう申したところ、
「おいおい、まずは挨拶だろ」
こうさらにすすめられた。
「あ、挨拶」
「そうだよ、まずは、一杯・・・ちっ、こらぁ、誰だぁ、注いだのはっ! ケチんじゃねぇよ!!」
どこかへそう吠えると斑目三席は、
「すまねぇなぁ、これじゃ呑む気にならねぇよなぁ」
そう、後ろ頭を掻きながら自分が口飲みしていた銚子からさらに茶わんへと酒を溢れる程注がれた。