小説の小箱(テニス)

□既成事実
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付き合い始めて2ヶ月。
何にも既成事実がないのは・・・・・・・
もしかしなくても・・・・・変・・・だよな?

既成事実

《武サイド》

「おーい、マムシ!」
「マムシじゃねえ・・・・で、何だよ・・・・・」
「んーっとなー・・・・・・あ、そうだ、明日の体育って何やるんだっけ?」
「何で俺に聞くんだよ・・・」
「だって俺達付き合って・・・・」

ドガッ

「それ、もう一度言いやがったらぶっ殺すからな」
「へいへい・・・・・・・」

でも、海堂。
俺達、ホントに何もしてないよな?
彼氏宣言も恋人宣言もダメ。
家に呼んだのは1回、告白した、あの日だけだ。
俺・・・・・もーちょっと恋人っぽいことしたいんだけどなー・・・・・・・

「・・・・・・・だろ」
「は?」
「だから、バスケだろ!! 早く失せろ!」

『他の奴の前ではいままで通りライバル』

これを海堂は必死で守ろうとしている。
別に男同士カップルなんか珍しくねーのに。
あんな外見で純粋培養だからアイツはそんなコトも知らない。
時々見せる優しさとか、可愛い所とか。
絶ッッッッッッッ対に遅かれ早かれ襲われてたにちがいない。
そのくらい俺は海堂が好きなんだ。
でも青春真っ盛りな男としてはもうちょっとなあ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「おい、バカ城」
「あ?」
「おめー・・・・もーちょっとでチャイムなっちまうし・・・早く8組帰った方がよくねえ?」
「んー・・・・・・『武❤』って呼んでくれたら帰る。」
「―――ッ・・・・・ば、バカ野郎!! くそ・・・・勝手にしやがれ」

あー・・・今すっごい勇気だして言ったんだけどなあ・・・・・・
くっそー・・俺ってばすっげーナンコーフラクな相手を好きになっちまったんじゃねえの?
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