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□健康上、タバコとマヨは控えた方が良い人の場合
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「・・・それなら屯所に来るか。」
「え?」
「えぇ!?副長ォ!?」

突然の提案に神楽だけじゃなく山崎も驚く

「お前がどうしても帰りたくないってんならウチで保護してやる。そのかわり明日には問答無用で帰ってもらうが・・・」

どうする?と問いかける

神楽は少し悩んだ後、小さく頷いた

「いいんですかぁ!?」と慌てる山崎を無視して、連れて行こうと肩に手を伸ばした
その時


「土方くぅーん。何してんの?」


抑揚のない声が辺りに響く

振り向くとスグ後ろに死んだ目の男が立っていた

こんな近くまで来ていたのに

全く気付かなかったなんて


「銀ちゃん!!」
「お前は馬鹿ですか。・・・帰るぞ」

二人の間をすり抜けて銀時は神楽の手を引く
自分がまだ少女の肩を掴もうとしたままだった事に気付いて土方はその手を静かに下ろす

「どうもスミマセンね。ウチの神楽ちゃんが迷惑かけたみたいで」
「・・・感心しねーなぁ。ガキを一人こんな時間に外に出すなんてよ?」
「土方くぅん。そんなガキを持ち帰ろうとする警察もどうかと思いますがねぇ?」

犯罪ですよ?

淡々と語る銀時の言葉が癪に障ったが土方は言い返す事ができなかった


何の感情も表してない目が自分を見据えている


あきらかに銀時は怒っている


「・・・ま、帰るわ。お疲れ〜」

スッと視線を外され、さっき自分は掴む事が出来なかった少女の肩を抱いて、銀時は歩きだす

二人の背が小さくなるのを黙って眺めている自分が酷く情けない


朝の占いも
総悟の悪戯も
夜の巡回を命じられた時も腹が立ったが

今日一番許せないのは

あの男の目に少し恐怖を感じた自分自身


「いやぁ〜仲良いですね〜あの二人。」
「山崎・・・」
「はい?」
「ちょっ 頼むから一発殴らせてくんない?マジで」
「・・・え?」
「痛くしないから」
「な・・・何でぇぇぇぇぇ!?」

せめてもの救いは
八つ当たりできる人間が傍にいたこと

静かな公園に悲鳴と鈍い音が響いた



end





いちばん可哀想なのは山崎だ。



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