short

□ケーキの上のチョコが実は一番主役
1ページ/1ページ

ケーキの上のチョコが実は一番主役



「じゃあ僕ちょっと買出し行ってきますね。」

そう言って出て行く新八をヒラヒラと手を振り送り出す
完全に戸が閉まるのを確認して台所にダッシュした

「さ〜て、糖分糖分」

鼻歌まじりに冷蔵庫を開け奥のほうに隠していた小さな箱を取り出す 中には丸いチョコレートケーキが入っていた

「あいつらに教えると俺の取り分が減るからなァ」

実にせこい事を考えながら居間のソファーに座り、さぁ食べようとフォークを刺そうとした その時

「ただいまヨー」
(げっ)

実に良いタイミングで遊びに行っていた神楽が帰ってきた

「あー!!銀ちゃん何食べてるネ!!」

ドタドタと近づきケーキの上に刺さっていたチョコをヒョイと抜き取る

「あっ、てめっ!!それは俺のだ!!」
「いやヨ!!私だってチョコ食べたいネ!!」
「ふざけんなっ!!俺の楽しみを返せ!!」

口に運ぼうとするのを手で押さえて何とか阻止すると、神楽も負けじと取られぬ様に抵抗する
勢い余ってソファーに倒れこむが、それでも二人はチョコの争奪戦を止めない

「か・え・せ〜」
「い・や・ヨ〜」

背もたれに腹をつけて精一杯腕を伸ばす神楽に銀時は覆い被さってそれ以上動けない様に彼女の右手を拘束する
だが肝心のものは左手にあるのであまり意味は無く、隙をついてチョコは口の中に放り込まれた

「おまっ・・・!!出せ!!スグに出せ!!」
「ん〜ん〜ん〜」(い〜や〜ヨ〜)

口の中に入った時点でもう勝負は終わったも同然なのだが、銀時は諦めきれず少女の口に手を伸ばした
その時

「すみませーん。財布を忘れてまし・・・た・・・」

居間に入ってきた新八が何故か固まったので、ハッとして今の自分の状況をみると

ソファーと自分の間に少女を挟み

腕を拘束し

口を塞ぎ

暴れたためかスリットからはその白い足が剥き出している

これではまるで・・・

「ぎっ銀さん・・・あんた・・・」

顔面蒼白の新八が一歩後ずさる

「・・・いやいやいやいや!!?違うからね!?コレは!!本当そういうんじゃ無いからね!!?」

動揺しながら手を横に振る銀時を冷たい目で見ながら、新八は電話の隣に置いてある財布を取った
若干だが財布を握った手が震えている

「ぎっ銀さん・・・僕、あの・・・後一時間は帰ってこないんで・・・」
「し、新八君・・・?」

「ごゆっくり!!!」

ダッと走りながら叫ぶと物凄い勢いで戸を閉め そのまま万事屋を飛び出す

「ちょっと待てェェェェ!!!?何!?それ!!!カンペキ誤解してるよね!!?ちょっ、まっ、新八くゥゥゥゥゥん!!!」


男の声は虚しく部屋に響いた


おわれ






どんな状況でも気を使う新八と,焦る銀さんを書きたくてコレが産まれました。何じゃこりゃ(笑)





[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ