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□お詫びにキスでも贈ろうか
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いつだって心の広い男でありたい。なんて

無理



 お詫びにキスでも贈ろうか   



「ただいまヨー。」

玄関から聴こえてきた甲高い声に目を覚まし、顔に乗っていたジャンプを拾い上げる


あぁ、また行っていたのか


「銀ちゃん、まだ寝てたアルか。」
「・・・何、お前またヅラの所?」
「うん。」
「・・・・・・」

銀時はソファーから起き上がると不機嫌そうに首の後ろをかいた



ここ最近ヅラと神楽が異様に仲良い

家に遊びに行っては夜になると帰ってくる日々
相手が相手なので心配する必要は無いのかもしれないが できれば控えてほしいのが本音だ


一応、自分は恋人という位置にいるわけだし


しかしこの少女はそんな事はお構いなしに またもや銀時の機嫌を悪くさせる発言を投下する

「そだ!!明日ヅラの所へ泊まってきてもいいカ?」

・・・はい?

「一緒にオセロやろうって誘われたのヨ。」
良いデショ?と目を輝かせて話す

いやいやいや
許されると思ってるコイツが凄い

「ダメ」

というか有り得ない。どう考えても
だいたいアイツも何で誘ってんの。嫌がらせ?

「えー!!何でヨ!?」
「何でって・・・とにかくダメなもんはダメ」

家に遊びに行く時点で我慢も限界なのに、泊まるなんてもっての外だ
はっきり言って耐えられる自信がない

相手が例えよく知る旧友でも 男は男

その辺が判っていないからこの少女は困る

「せっかく約束したのに!!」

拗ねた目で訴える少女に本気で頭が痛くなった
このままだと勝手に泊まりに行ってしまいそうだ

何とか彼女を止めさせる打開策はないものかと普段はあまり使わない脳をフル回転させる

そして閃いた


自分にとっても最適の解決策を


「・・・神楽、ちょっとコッチ来い。」

手招きをすると膨れっ面のまま素直に近付いてくる少女
それを見て銀時は心の中で薄く笑う

無理に止めようとするから反発するのだ
明日行かないように説得するのではなく


明日行けないようにしてしまえばいい



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