雨+雪=ミゾレ -雨混じり-
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何処かに出掛けようよ。折角の天気なんだし。
そう言われ、けれど一欠は寝転んだまま。
「一欠ったら」
それもまたいつもの光景。
センカは勝手に喋って勝手に笑って勝手に落ち込んで勝手に復活する。
変な生き物だ、と一欠は普段思っている。
「出掛けるなら何処が良いかなぁ。ドミナとか?」
「人混みは嫌だ」
「じゃあ、ポルポタ?」
「潮風は嫌いだ」
「ロア?」
「酒は嫌いだ」
間髪無い応えに、センカはむぅと唸る。
「あ、そうだ、キルマ湖にしようよ。あそこなら君の好きな昼寝だって出来るし」
「………」
ああ、と応えて。
「絶対気持良いよね」
そこで一欠は隣に寝転ぶセンカを横目で睨んで。
「……行きたいのならさっさと起きろ」
「もうちょっとー」
結局、彼もごろ寝が好きなのだ。
end.