雨+雪=ミゾレ -雨混じり-

□□
1ページ/1ページ



口付けの後に、唇を舐める癖。

「…それ、やめてよ」
「は?」

少し頬を紅く染め、言ったセンカに、相手は心底不思議そうな顔をした。

「何がだ」
「何がって…」

余りにも一欠の様子が変わらないので、そこでセンカは漸く理解した。

「…若しかして、無意識?」
「だから何がだ」
「だから、」

言いかけて考えた。
此処で指摘すれば、きっと一欠は狼狽するだろう。
赤面する?逆に怒る?拗ねる?
そんな彼も見てみたい気もする。

「…おい?」

にやけ出した口元に、眉をひそめる一欠に。
センカは、クスリと笑って。

「なんでもないよ」

やっぱり気付かないままの、その癖が好きだから。

「…変な奴だな」
「君に言われたくないけどね」

そうしてもいちどキスをする。


end.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ