麻雀物語
いつまで経っても出社してこない石田さんにしびれを切らした北見マネージャーは「寮、見に行って来い!」と手島さんに言った。
数十分後、戻ってくるやいなや、
「マネージャー大変です!石田さん、死んでました!」
…これにはさすがに俺も驚いた。
聞くところによると台所で丸くなり死んでいたらしい。
印象的だったのは、
「まいっちゃうよなぁ、死んでんだもん」という手島さんのせせら笑いと
「面倒なことになったなあ…これだから年寄りはダメだ。」
という北見マネージャーの一言。
俺は身内で亡くなった人がいないのであまりの出来事に少し動転していた。
その後、警察の解剖やら身内への連絡などゴタゴタがあったが、よく覚えていない。
確かに今思い出せるのは石田さんの固い打ち筋と屈託のない笑顔。
俺は当時全く勝てなかった。
が、今なら勝てる気がする。
さようなら、石田さん。
俺は忘れないよ。