麻雀物語
早速次の日からメンバー生活が始まった。
朝9時に来て掃除。
朝は暇なので卓が立つまでテレビを見たり買い物に行ったり…
俺は早く麻雀が打ちたかった。
午前11時、お客さんが2人来たところで卓を立てた。
意気揚々と参加した俺だったが、半荘数回目、10000円分のカードが溶けると、今日はそれ以上打たしてはくれなかった。
ちなみに一緒に働いているメンバーはこうだ。
北見マネージャー。
推定50歳。人当たりがよく、誰にでも好かれる存在。競輪狂で昼間フラっと出てはノミ屋で車券を買っている。
石田さん。
推定50代後半。キッチリ分けた七三と、きちっとアイロンのかかった白いワイシャツが印象的。
何故かいつも財布に20万以上入っている。
月間通して赤がないのが自慢。
手島さん。
モヒカンで金髪。
ヒゲにごつい体とくればカタギだと思う人間はいないだろう。
キャバクラ狂で金が入っても飲み代にすぐ消えてしまう。
入って1週間経った頃、僕の成績は-7万のアウトになっていた。(日給1万なのでチャラ)
見かねてか、次の休みにと石田さんが奢りで飲みに誘ってくれた。
当日になり、駅前で待ち合わせをしたが石田さんは来ない。電話にも出ない。
仕方なく先に集まった者同士で飲み屋に行った。
しかし、いくら待てども石田さんは来ない。
最初から飲みに連れて行く気がなかったのか…
その日は結局来ることはなかった。
俺は明日来たらたんまり文句を言ってやろうと思った。
次の日、出勤した俺は早速石田さんの姿を探した。
…いない。
性格的に遅刻する姿など想像がつかないのだが…
一体どうしたというのか?