麻雀物語
その日は突然やってきた。
廃屋だった長谷部家が改築をする為、麻雀が出来なくなるというのだ。
そしてこの日を境にセット麻雀を打つ回数が目に見えて減ってきた。
俺は面子に飢えていた。
打ちたいが、打てない。
そこで目に止まったのが近代麻雀に載っている低料金のフリー雀荘だった。
前回のイメージから雀荘にビビっていた俺も、
「これならいけそうかも…」と明るい広告を見ながら思っていた。
数日後、俺はウェルカム横浜にいた。
年齢を偽り登録をし、点3 のフリーを打っていた。
まず勝てないが、大きく負けない。
まだ1年坊主の麻雀初心者である俺にとってこのレートはありがたかった。
捨て牌は6枚切り
自山は前に出す
リンシャン牌はおろす
ここである程度の点数とマナーを覚えていった気がする。
そういえば当時、周りでフリーに行っていたのは俺くらいだった。