・ディープインパクト
 「ウインドインハーヘアの2002」…後に三冠制覇・GΙ7勝を挙げる稀代の名馬は、その小柄な体からサンデーサイレンス産駒の牡馬にしては安値の7000万円で落札された。全兄・ブラックタイドと同じ池江泰郎厩舎に入厩したディープは、その非凡な能力を見せ始めた。
 新馬戦、阪神・芝・2000m、ゲートが開きディープはそろりとスタートした。まずはコンゴウリキシオー(後のGU・金鱗賞馬)が先手をうち、マイペースの逃げに出る。ディープは前方4~5番手の位置で淡々と走っている。直線に向かうと軽く仕掛けただけで圧勝。続く若駒Sも武豊騎手は鞭を使わず、2着馬に5馬身差で快勝。実力の違いを見せつけた。
 皐月賞の前哨戦に弥生賞(GU)を選択したディープを、ファンは1番人気で迎えた。スタートから後方3番手に控え、終始外を回っての苦しい展開。だが3コーナー過ぎから徐々に進出すると、直線で先頭集団に襲いかかる。内からアドマイヤジャパンが並び掛けるが、クビ差しのいで重賞初勝利を飾った。
 クラシック初戦の皐月賞。前走の勝利が認められ、ディープインパクトは単勝オッズ1.3倍の圧倒的な支持を得た。スタートと同時に落馬寸前となる躓きを見せ致命的な出遅れとなったが、徐々に盛り返していくと直線残り200mで先頭に立つ。シックスセンス・アドマイヤジャパンが2番手に上がってくるが、更に差を広げ2馬身半差でゴールを切った。
 競馬の祭典・日本ダービー。ここでディープは至上最高となる単勝支持率73.4%の支持を得た。ディープはいつも通りそろっとゲートを出た。

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