ふろむA

□二二子さん*ふたごゆうぎ
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“馬に蹴られて死んでもいいなら、どうぞ心してご覧あれ”




どしたの、黄瀬ちん、せっかくの休みの日に呼び出して…何このロケバスみたいなの。

もうっ!紫原っち、遅いっすよ!!今日は俺らにとって決戦の日なんスからっ!

え〜…今日、何かあったっけぇ??

だから、何度も言ったじゃないスか!今日は……うっ、うっ、うっ…赤司っちと黒子っちのお家デートの日だって!!

あー…そーいえば、そーだねぇ(ボリボリボリボリ)

呑気にまいう棒食べてる場合じゃないっスよおおおおっ…!!このままじゃ、俺の最愛の天使・黒子っちが、恐怖の大魔王・赤司っちに……た、食べられちゃううううっ!!!

ふぅ〜ん…まぁ、仕方ないんじゃない?ふたり、付き合ってるし、ラブラブだし、赤黒夫婦とか言われてんじゃん

お、お、俺は断じて認めてないっスよっ…!!ふたりが夫婦だなんて…本当の夫婦は黄黒夫婦っス!!!

えぇ〜!やだぁ!!黄瀬ちんが俺の再婚した義理の父さんとかマジ無理。俺は赤ちんしか父さんだって認めねーし!俺の母さんは黄瀬ちんなんかに渡さねーよ!!(ポカポカポカ)

イダッ!!イテテテテっ!!痛いっス!!殴らないで下さいっス!!紫原っち、馬鹿力なんだからっ…音の割にめっちゃ痛いっスよっ…!!

黄瀬ちんがふたりの仲、邪魔するからいけないんじゃん。俺はふたりの味方だから…、

ふーん…本当は赤司っちよりもずっと、黒子っちを好きなのに?

…黄瀬ちん、何が言いたいの?頭ひねり潰されたくなかったら、これ以上変なこと言わないで。

変なことじゃないっスよ。ただ俺らは黒子っちの事がだーいすきなふたりっスからねぇ…黒子っちの貞操をやすやすと赤司っちに奪われたくないじゃないっスかぁ?

………それで?

だから、俺らでふたりのお家デートを見守って、黒子っちが危なくなったら赤司っちの魔の手を退けに家の中へ突入しようと計画しているっス。あらかじめ、電気設備の点検を装って、黒子っちの家には所々隠しカメラを取り付けてもらってあるから…赤司っちの動向を監視して、黒子っちの純潔を死守するっスよ!!!

…黄瀬ちんって、マジでしつこいよね。あんな相思相愛なふたり、邪魔する気なんて普通起きないじゃん。

それだけ、俺は黒子っちを本気で愛してるっス!!紫原っちだって、ふたりの息子っていうポジションにしがみついてまで、黒子っちの傍にいたいくせに!!

……それの、何が悪いの?俺は黄瀬ちんと違って、赤ちんだって黒ちんに負けない位大好きだしっ…!ふたりとも大好きだから……潔く、身を引いたつもりだったのに、黄瀬ちんが煽るから…バカ、黄瀬ちんの大馬鹿野郎。

まぁまぁ、怒らないで下さいっス…俺と違って、ふたりは紫原っちのこと、大好きだから、邪魔しに行ってもきっと怒らないっスよ…。

………、……うん。




あ…ほら、赤司っちが来たっスよ!!

…あ、…赤ちんだ……今日、なんだかいつもより、顔が緩んでいる気がする…。

…や、やっぱり…いたいけな子兎・黒子っちをウキウキルンルンで狼のごとく手篭めにしようと……くぅぅうううっ〜!!許せないっス!!絶対に邪魔してやるっスよ!!!(ゴォオオオオッ)

…黄瀬ちん、無駄に暑苦しい。あっ、黒ちんが迎えに出てきたぁ〜…、

きゃああああっ!!!黒子っちぃいいいっ…!!今日もこの世で一番可愛いっスゥッ!!!あぁもう、ペロペロしたいっ!!!

…黄瀬ちん、キモチワル。黒ちんがこの世で一番可愛いのは認めるけど、ペロペロってかモグモグするのは、俺か赤ちんだから。

ズルいッスよおおおおっ!!!俺らは同じ釜の飯を食うべき仲間じゃないっスかあああっ!!!色白艶やかなお米という黒子っちを紫原っちがモグモグしてもいいけど、釜にこびりついた米粒くらい俺にペロペロさせて欲しいッス!!!

ちょっと、黄瀬ちん、ウザい。あ…ふたりが何か内緒話してる……うーん、なんだろう。ふたりの声、聴こえない。あれっ、そういえば、黒ちんの父さんと母さん、カメラに映らないね…今日って黒ちんの両親…いないんじゃ…、

…な、なんという絶好初体験日和……くそぅっ、俺は命に代えても、全力で黒子っちを守るっス…!!!

……うん、…そうだね。




あ…、赤司っちが…二階へ上がって行く…

黒ちんの部屋、既に分かってる感じだよね…

…、そうっスね……ぐぬぬ…、

俺らが知らないだけで、何度か黒ちんの家に遊びに来てるんじゃない?そういえば、ふたりで特訓していた頃とか、一緒に帰って黒ちんの家まで赤ちんが送り届けていたらしいし…その流れで家に上がったりしていたんじゃないの?

俺なんか…黒子っちが教育係だった期間、夜道の不審者から守る為に可愛い黒子っちの護衛役を買って出たのに…結局一度も家には入れてもらえずクールに門前払いされたっス…何なんすか、この天と地の差の扱いは…。

え〜?そんなの、黒ちんが相手を好きか嫌いかじゃないの?

えっ?!じゃあ黒子っちは俺のこと嫌いなんスかっ?!?!俺は黒子っちを大大大好きなのにっ、逆に、黒子っちは俺のこと大大大嫌いなんスかっ?!?!

ちょっ、黄瀬ちん、俺に問い詰めないでよ!瞳孔開きまくって超怖いし鼻息荒くて超気持ち悪いから、これ以上顔を近づけんな!!

だってだってだってっ!!紫原っちが俺をどん底の不安にさせること、言うからっ…!!

…あー、ごめんねぇ、黄瀬ちん。大丈夫だよ、きっと黒ちんは黄瀬ちんを嫌いなんかじゃないってぇ〜。何だかんだ言って飼い犬に餌をくれて構ってくれるじゃん。

…そ、そうすっかねぇ…だったら、いいなぁ…(パタパタ)

(尻尾振っちゃって…駄犬、マジめんどくせぇ)あれぇ?赤ちん、一度黒ちんの部屋に荷物を置いてまた戻ってきたよ。

…黒子っち、お茶とお菓子を出す準備をしている所っスよね…あ、ショートケーキが見えるっス。

あ…赤ちん…無防備な黒ちんの背後にそぅっと近寄って…、


 
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