幼なじみ-近すぎて-
[土方十四郎]
―ピンポーン―
今日もいつもと同じ朝がくる。
私はいつものように急いで外へでる。
「お。今日は早ぇじゃねぇか」
『まあね!!』
いつものように他愛のない話をしながら学校への道程を歩く。
『―…でね!?』
「あ、あの土方君!」
『…あ』
「ち、ちょっといいかな…」
「オイ、先行ってろ」
『言われなくてもいくわよ!!』
トシはモテる。
だからこんなことはしょっちゅうだ。
でもトシはいつも告白されては断る。
でも今回は違った…
学校の帰り道…
「あ。俺付き合うことになった」
『え!?』
「朝呼び出した奴いただろ?そいつと。」
『何で!?今まで全部断ってたのに!』
「あ―…実はアイツ、俺の好きな奴なんだよ。」
チクッ
『そ、そうだったの!?良かったじゃん!両想いだよ!!』
「さんきゅ」
そして夜、寝ようとベットに入るとその事を思い出した。
『…トシ、あの子の事好きだったんだ…』
ピロリロリン〜♪
『あ。メール。…トシだ』
Fromトシ
Sub Re:
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わるい、明日から一緒に登下校できねぇ。
-END-
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『……まぁしょうがないよね、そりゃぁ彼女と登下校するよね…っ…』
私の頬に一筋の涙が伝った。
それを合図に留めなく涙が流れた。
『…んで涙なんかでてくんのよぉっ…!!…私、トシの事…好きだったんだな…っ』
トシとは幼なじみでいつも一緒に過ごしていた。
その‘当たり前’がなくなった時、私は自分の気持ちに気づいた。
私とトシは近すぎて、気づいたときにはもう遅かった。
だから私は願う。
とても大切で好きな人の幸福を。
始めは辛くて上手く笑えないかもしれない。
それでも私は自分の気持ちを隠し通して貴方達の背中を押すよ。
そして私は笑顔で言うんだ。
『おめでとう!』
と…―。
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