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□拍手ログ
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◆僕はきっと満足しないはずだから



夜の終わりを告げる様に、空は瑠璃色に染まっていた。
座る騎士の傍らへ立つ。
卑しいとされる身分である少年に、騎士は充分過ぎる程に良くしてくれた。


『感謝しています。』

騎士は少年を見上げた。
その言葉の先を促す視線は、鳶色の瞳は、何処までも深く優しかった。

『つい考えてしまうんです…。何も知らないままの方が幸せだったのではないかと。』

少年の柔らかい微笑みは言葉よりも雄弁に物語る。決して貴方を恨んでいる訳ではないと。

『あまりに幸せ過ぎて、怖い………こんな気持ちを僕は知らなかった。』


何も知らなければ、辛い事も苦しいことも『当たり前』なのだから。
一つ手に入れば、もう一つと欲しくなる。
欲張りなのは業だ、と少年は言う。


『だが、お前はそれで満足していたとは思えないが。』

少年は目を見開いた。

『そう…ですね……。』


やがて世界は朝を迎え、射す陽光は力強く、2人の行く道を照らし出した。
少年は、まぶしげに目を細めた。









++決して楽な道程では無いが、希望は射す朝日のように。



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